Maple World
KYOTO MAPLE WORLD
Concept
―甘い隠れ家―
京都の由緒ある街、出町柳に位置するメープルシロップを使ったお菓子専門店「KYOTO MAPLE WORLD」の新店舗計画。
旗竿敷地に建つ古民家を改修し、「甘い隠れ家」をテーマに、このお店が提供するお菓子の魅力を最大限に引き出す空間作りを目指した。
敷地内の細い路地を進み、玄関扉を開けると、洋風テイストを取り入れた温かみのあるインテリアが訪れる人を迎え入れる。
店内はお菓子を製造する厨房と商品を販売するエリアに分かれ、両エリアを木製の間仕切り壁で区切った。
間仕切り壁は高さを2100㎜におさえ、天井部分の空間に広がりをもたせることで限られた販売エリアでの圧迫感を軽減し、
厨房から漂う甘い香りによって訪れる人々の嗅覚にアプローチすることで、購買意欲を高める効果を狙っている。
また、間仕切り壁の中央部分には半透明のポリカーボネートを使用している。
これにより、厨房内部のプライバシーを保ちながらも、製造の活気や動きをほのかに感じさせ、製造過程にも興味を引くよう工夫した。
販売エリアの意匠照明にはビンテージのプレートを再利用し、歴史あるアンバーカラーのガラスを通じてメープルの優しい色合いを表現した。
重ねられたプレートが生み出す光と影が空間を柔らかく彩り、サステナビリティと手作りの温もりを感じさせるアクセントとして機能している。
今回の計画では、京都の隠れ家的な雰囲気を大切にしながら、メープルシロップの甘く優しい世界を店舗全体で表現することを目指した。
訪れる人々の視覚や嗅覚に働きかけ、五感を通じてこのお店の魅力をより深く感じてもらい、心からくつろげる憩いの場となることを願っている。
[概要]
用途:店舗
立地:京都市左京区
床面積:49.34㎡
施工:松岡正良
看板制作:合同会社iei
写真:竹村麻紀子
[spec]
use : shop
location : Sakyo-ku,Kyoto
floor area : 49.34㎡
contructor : Masayoshi Matuoka
signboard production : iei LCC
photo : Makiko Takemura